真空管ラジオの修理
(ゼネラル 八欧電機 5A301。昭和30年頃の製品と思われます)

2006年12月23日 池袋サンシャインの文化会館でラジオライフのフリマに行ってきました。そこで売られていた真空管ラジオ、動作せず部品取りということで中波と短波2バンド(3000円)の本機を購入。完動のものもあったのですが、どうせ使うのならば修理は自分でして生き返らせた方が愛着も湧きますし、短波付というのも気に入りました。




自宅に帰ってまず、中をみたところ非常に綺麗。ホコリ一つありません。スピーカーの線とかところどころ後で配線変更した形跡があります。これは、前の持ち主が修理にチャレンジしてあきらめたから売却いう感じがします。

修理は、ちょっと怖かったけどケースに入っているということでいきなり電源投入。幸いにも爆発なく煙もでませんでした。外部アンテナを接続すると弱いながら中波が聞こえます。しかし、ダイアルを回してもすごくブロード、おまけに近くのNHKがどこでも聞こえます。

トランスレスなので感電に注意してとりあえずボリュームに指をあててみました。ぶ〜んというハム音がバッチリ聞こえます。見た目、オイルコンとか紙コンは全部ダメそうなんですが、低周波アンプ部分は問題なく動くようです。こうなれば得意の高周波なのでワクワクします。






回路図はシャーシの中に貼られていましたが見づらいのでデジカメで写真を撮ってPCで拡大してみることにしました。こういう技が使えるのも今のハイテクのおかげ、感謝。

修理手順としては、以下のように進めました。トランスレスのためオシロとか使うときには注意しないと家の漏電検知が働きますので、ちょっとやりにくいです。

@ まずは、局発をチェック、中波も短波も発振してません。部品を見るとチタコンが真っ黒なのでまずは容量チェック。50PFのところが5PFしかありませんので交換。いきなり勢いよく発振しました。周波数範囲は十分ですのでコイルとか問題はなさそうです。

Aその他にもチタコンがあちこちに使われていますのでセラミックコンデンサに交換して行きます。高圧電源のパスコンも耐久性に問題のあるマイカコンデンサが使われておりましたので念のため、セラミック500Vに交換しました。

BIFT回してみるとだいぶ感度が上がってきました。短波も北京放送とか聞こえます。でも、何か変です。IFTのピークがない感じでコアを思い切り入れないとだめのようです。この状態で810kHzのAFNを受信して局発の周波数を測定すると1400KHzくらいになっています。どうやらIFTの同調周波数が600kHzくらいなので、同調コンデンサが容量抜けしているようです。早速IFTをばらしてコンデンサの容量をチェック。120〜150pF程度のはずが70pF、23pFとかとなっています。一番ダメなのは5pFしかありませんので殆ど死んでますよね。しかし、コイルは一応大丈夫のようですので助かりました。



早速、IFTのコンデンサは手持ちのセラミック120pFに交換。温度係数がゼロ
のものがよいのですが、こういうことは気にしない。ついでにパッティングコンデンサもセラコンに。

★結局、チタコンで容量数字が見えないものは全て容量が抜けてました。



Cさあ、電源投入です。中波から受信、局発の周波数を1265kHz(810+455)に合わせて、810kHzのAFNが受信できるよう初段のIFTをまわします。うまく受信できたので次段のIFTをまわすとぐんぐん信号が強くなってきます。選択度もいい感じです。トラッキング調整をやって完成です。

Dこの状態で短波に切替ると、短波もガンガン受信できます。しかしダイアルにスプレッドがないのでクリチカルです。局発安定度はまあまあというところ。北京放送とかは一度あわせると15分くらいはダイアルを触る必要なく聞けました。アンテナ線は1mもあれば強力に受信できるくらいの感度、十分です。

E周波数はダイアルとちょっとずれているようですが、これでメインに聞くことはないので完了とします。やりだすと限がないもので....



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