改良型 DRM受信コンバーターの製作
(DBM式 自作真空管受信機に内蔵してDRM受信)

2007年1月28日(日)

DRM受信について、トリオ製R1000+2石簡易型コンバータでRNZIを受信できるようになりました。SDRのようなIQコンバータの方式も実験を行っていますが、2石コンバータでも良好な受信状態が得られましたので、今回は、昨年末に自作した真空管通信型 受信機を親機に受信コンバータの改良版を製作してみることにしました。

(★写真はDRMコンバータを内蔵した真空管受信機。DRMのスイッチに注目)




1.設計
 自作受信機の周波数構成はコリンズの51Sゼネカバ受信機と同じですので、IFは500kHzとなります。したがって500kHzを12kHzに変換するコンバータを設計することとします。

 受信機からのIF取り出し口は、周波数帯域がブロードな6EA8の2ndミキサー出力のIFTからハイインピーダンス部分からコンデンサで取り出すこととします。従ってDRM受信に必要な10kHz帯域をIFTのスタガ同調で確保する必要があります。経験的にIFT3段くらいは必要と判断しました。しかし、ミキサ出力レベルはあまり期待できませんのでまずは、IFTをひとつ通過後に2SK241で増幅、出力に2段のIFTを用意しました。

 局部発振回路は、500kHz−12kHzですので488kHzが必要になります。Dreamソフトは、厳密には12kHzからずれていてもソフトでセンター周波数に追従してくれますので、特に水晶発振にする必要はありません。しかしながら、安定度は受信状態に関係しますので重視することが必要です。以外にこの程度の周波数の発振器は綺麗な波形を得るのが難しいのでいろいろと定数を変えてみた結果、添付回路のようなもので安定したものができました。回路は昔のVFOで見られるように電源をツエナーダイオードで安定化して供給、結果的に1分間で数10Hzという変動にとどまっています。

 ミキサーは歪に強いダイオードで組みました。昔のSSB機のバラモジの回路と同じで各メーカの受信機で実績のあるものです。12kHz出力にはTRで一段増幅して出力しています。高周波分はコンデンサでインピーダンスを下げて除去しています。





★回路図




2.調整
 調整は、局発周波数を488kHzにあわせたら、後は受信機のレベルと本回路のIFTの周波数帯域調整が主なものとなります。帯域調整は、RMZIとかを受信しながらDreamの入力スペクトラム表示を使ってOFDM波形のエッジ部分を見ながらSNRが最良になるようにします。受信機のAGCはOFFとします。

3.使用感
 本装置+自作真空管受信機で、早朝の15MHzのRNZIがSNR20dB程度で途切れもなく安定に受信できるようになりました。ここで2石の受信コンバータと比較してみると数dBの向上が見られましたが劇的な改善という訳ではなく、逆に2石コンバータでも結構使えると思ってしまいました。Hi

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