真空管 通信型受信機の製作日記

                                                        2006年10月〜12月分

★2006年10月6日 札幌出張
 出張の合間に西島無線という大通りの近くのジャンク屋に行ってみました。事前にWEBで調べてあったのですが、なかなかFBなジャンク屋さんです。これで札幌出張の楽しみが増えました。
 購入したのは真空管と455kのIFT。IFTは500kHzで使う予定。巻きほどく必要があるかは不明です。

 

★2006年10月8日
真空管ラジオを製作して、すっかりはまってしまいました。

次は通信型受信機に挑戦。設計はまだ頭の中にありますが、コリンズの500kHzフィルターを持っているので、コリンズSラインを参考にして考えていくつみりです。

シャーシはジャンクのFT101を使用することにしました。これは、昔、会社の同僚にもらったもの。動作もしないし、汚いので部品取り用に天井裏に放置してあったものです。

まずは、シャシーをばらしてお掃除となりますが、すごいホコリとタバコのヤニで大変です。本日は、ばらして終わり。




★2006年10月9日
3連休の最後になりました。今日の工作はAMのみ。午後からは掃除とか、衣替えとかいろいろと忙しいので...

まずは、電源部を作りたいところですが、どうみても手持ちのトランスの容量が少ないので、なかなか、踏ん切りがつきません。

そういうことで、まずは、FT101のギロチン部分(RF入力の可変インダクタ)の特性チェックを行いました。真空管を入れたプリセレ部分ですが、5バンドで3〜30MHz可変することができました。



★2006年10月21日
出張とかいろいろ忙しく、少しずつの作業になっています。
シャーシの部品面に新しいアルミ板を固定して、穴あけ準備OKです。

電源は、結局250V75mAのトランスに低圧用の5〜24V 3Aのトランスをつけました。真空管のヒータとかいざというときの半導体回路用に使えますので何とかなるでしょう。

電源回路は400V耐圧のブリッジがあったので全波整流、その後抵抗とコンデンサを使いました。

製作順番は通常は低周波系からが定番ですが、ゼネカバ受信機を使って受信しながら製作しますので、高周波部から。まずは6BZ6のRF増幅から製作予定。すでに下の写真の左上のようにソケットをつけました




★2006年10月28日
今月最後の土曜でしたが、結構雑用であまり自作は進みませんでした。
とりあえず、6BZ6のRFアンプと6EA8の水晶発振部分は動作OK。次に6EA8の3極管ミキサーもうまく動作しました。受信機にアンテナを接続して2〜3MHzのミキサー出力をゼネカバ受信機で聞いてみると、ハイバンドでプリセレをまわすと発振するポイント(局発を拾っているかも?)が結構ありました。しかし、ノイズも少なく綺麗に短波放送聞こえるのでちょっとうれしかったです。)

第一IFはこの2〜3MHzであるので可変型BPFを製作しました。この低い周波数で1MHzを動かすのはなかなか難しそうですが、バリキャップを使って0〜12Vでうまく可変できました。しかし、どうやってメインダイヤルと連動させるかは、まだ決めていません。


バリキャップを使った可変型BPF(2〜3MHz)


1コマ0.5MHz。2MHz受信時のIF BPF特性(バリキャップなので制御電圧は0V)


★2006年10月30日
VFOの製作に入りました。VFOはとりあえず手持ちの14MHzの水晶があったので10.5〜11.5MHzの1MHz可変としています。これで2.5〜3.5MHzを得られるように周波数変換します。

FT101のVFOをとりあえず周波数変更して何とか安定度も得られ水晶発振、TRミキサへ入力してみました。しかしスペアナをみてがっかりです、すごいスプリアス。やっぱりVFOと水晶OSCにはLPFが必要ですね。最終的にLPFをつけて以下のようなスペクトラムとなりました。


VFO用ミキサー(久しぶりのTR回路です)


ミキサー出力特性(写真は2.5MHz。レベルはー15dBm。とりあえず近接スプリアスは抑えた。しかし3MHz付近の1MHz可変はレベル変動が大きくて単同調では難しいです)


★2006年11月13日
最近、週末も仕事というパターンが多いのでなかなか進みません。VFOはレベル変動が多いのとスプリアスが気になるので2.5〜3.5MHzの直接発振に変更しました。オリジナルの101のVFOの回路でコイルを65回巻いたら2MHz台で発振してくれました。しかしながら1MHz展開はVCの容量が小さいため難しいです。いくらがんばっても700kHz展開がやっと。でも出力はパイ型4段LPFをつけたらばっちりでした。

前に購入した455kHzのIFTは、そのままで500kHzに使えることが分かり、これから少しははかどりそうです。

真空管は2ndミキサーまで3管動作OK。


RF、LOCAL、VFO


★2006年11月17日
2ndミキサー出力の500kHzをゼネカバ受信機で聞くと、結構よく聞こえます。ついつい聞きこんじゃって、製作ペースが落ちている状況です。

今朝は、少し早起きしてIFフィルタ部分を製作しました。コリンズのメカフィル(USB、LSB)、CW用水晶フィルタにAM用のIFTという4種類をリレーで切り替えます。






★2006年11月21日
出張は徹夜作業が続いていましたが、ようやく自宅に戻れました。眠かったのですが、残りの真空管、IFTの穴あけをしました。当然、夜はドリルを使えませんので、こういう作業はできるときにやっておけば、あとは少しずつ夜に進められます。

3時間で、とりあえず真空管とIFTを取り付けました。Qマルチ部分も一応穴あけ済みです。真空管は全部で8球となりました。トランスの容量はぎりぎりです。







★2006年12月5日
昨日、会社の帰りにカラースプレーを買ってきてパネル塗装しました。もう少し濃い色がよかったのですが....



★2006年12月2日
今日は、子どもの行事でもちつきがありましたが、午後はバッチリ製作に没頭。

最後の難関、コリンズのQマルチの実験をしてみました。コリンズのQマルチは損失が大きいと言われていますので、もっとも改善されたSライン最終形の回路です。しかし結果は、やっぱり損失が大きいのです。

そこで、最近読んでいる9R59、TX88物語の9R59で使用されているQマルチを組んで調子をみました。コリンズはノッチだけど、こちらはBPF。回路はシンプル、9R59は6AV6だけど、12AT7の片割れを使って、カソード抵抗を小さくしたらうまく発振しました。再生ラジオと同じで発振手前だといい感じになります。感度の低下もありませんのでこれで行くことに決定しました。また、発振させるとBFOにも使えSSBもうまく復調できました。

結果として、BCL用としては十分な性能となりました。これでアマチュア無線をワッチする気はありませんが...

パネルの塗装準備でヤスリがけ。周波数直読用のカウンタの準備等、結構すすみました。



★2006年12月8日
どうもSメーターの振れが不安定で気になっておりました。いろいろしらべてみましたが、どうやらIF増幅の6BA6がおかしいことが分かり交換。ばっちり動作するようになりました。感度もかなりUP。

半導体製作と異なり、デバイスそのもののチェックも必要なことがわかりました。

いろいろ書いてきましたが、ようやく回路も固まりつつあります。

とりあえず系統はこんな感じでまとまりました。


          ・系統図



★2006年12月10日
昨日は、昼から知人宅でお食事会、夜は同窓会メンバーの忘年会。帰宅は0時を過ぎ、それでも朝は6時に目が覚めて自作しました。

とりあえず、周波数カウンター(10年くらい前に購入した秋月電子のキット)を組み込みました。周波数直読するにはヘテロダイン変換する必要がありますが、とりあえずVFOの周波数を直読できるところまで製作しました。

ところで、このキット、パターンが細いのですぐにパターンが切れて動作しなくなります。途中で断線により動作しなくなり、3時間くらい格闘することになってしまいました。また、カウンターノイズが結構あるのでバッファ入れて小容量で結合することになりそうです。





★2006年12月11日(月)
帰宅後、ダイアル部分にスモークのアクリルを貼り、IFTの調整を行いました。しかし、9メガ以上の感度が悪いので、調べてみましたら、RF増幅の同調用トリマコンデンサの線が切れてました。


★2006年12月14日(木)
高周波増幅 6BZ6がバンドによって発振するという不具合があり、対策しました。まずは、真空管の出力回路のコイルからの配線を最短にして、コイルを47kの抵抗でQダンプしてみました。これでかなり改善されました。

次に真空管にシールドケースをかぶせてみました。これも結構効果がありますね。gmの高い球でマルチバンドは本当に大変です。

ところで、いろいろ書いていますが回路はどうなっとるんじゃ?という声が聞こえてきそうですので、まだ途中ですが、回路をUPしておきます。

後は、カウンタのヘテロダイン部を作って、計算しなくても周波数がでるようにすればとりあえず、終わりかな。そうそう、フロントパネルのレタリングも残っています。

    
・回路図


★2006年12月17日(日)
日によって起こる感度不足の原因は、IFTの断線でした。微妙に接触していてなかなか気づきませんでしたが、IFTを外してコイルの線を再配線したら安定して高感度になりました。

アンテナは4m長のロングワイヤですが、海外放送がガンガン入感します。使用感は、音質はIFTのおかげでFR101よりかなりいいです。それから、何と言っても内部雑音が少ない。でも感度は高い。これはコリンズの解説書に記載のとおり、高gmの高周波増幅と、3極管ミキサのおかげと思われます。残りはパネルのレタリングのみです。




内部の写真:以下のようになりました。
         
 ・上部
          
・下部

★2006年12月20日(水)
ダイアルの文字を入れました。ポイントはやはりプリセレ。ここは、紙にカラーコピーした紙を貼り付けました。これで外観は完成。

特性面の大きな問題では、9.5MHzを受信した時にVFOの3倍高調波(9MHz)とカウンタヘテロダイン用水晶発振11.5MHzの差分が2.5MHzとなり2nd IFのど真ん中に落ちてくるQRMがあります。これはVFOの出力にノッチかLPFを入れる予定です。毎日真空管受信機でワッチしています。やっぱり市販品とはちょっと違いますね





★2006年12月23日(土)
VFOに2倍と3倍のノッチフィルタを入れてかなりよくなりました。一応、これで終わりです。パネルのレタリングも紙は格好が悪いので作り変えました。次は何をしようかな。









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