(CQ誌1987年6月号P.278に掲載)
430MHzモービルを始めて1年を経過し,使用中の5/8λホイップの飛びに不満を感じ,数種類のアンテナを比較実験した結果,性能・大きさの面でここに紹介するJ型アンテナが良好であったので,その概要を報告します.
他のホイップ・アンテナと比較したこのアンテナの特長は次のとおりです.
@給電点が高い.
A給電点が車体から離れているため,良好なパターン,低打ち上げ角が得られる.
Bノン・ラジアル形のため,車体アースが不要(基台取り付け部の車体塗装をはがさなくてもよい).
アンテナの寸法,および構造を第2図に示します.1/2λホイップ部は市販モービル・ホイップを,またサポート部はグラスファイバ一製釣り竿を流用し,製作費を低減しました.そして,サポート部とホイップ,M型コネクター接続部は,自動車部品店で市販されている粘土パテを使用し固定します.調整は,まずSWR計を接続し、
バンドの中心周波数で第2図のaの部分を切断します.このときTVフィーダー部には最終的には固定用としてテープを巻くことによってマッチング周波数が下がるため,aの部分を残して調整を行います.調整はかなりクリチカルで2mmくらいずつ慎重に切断します.SWRは全バンドにて1.5以下となります.
本アンテナを約1カ月の間モービルに装着してみた結果,性能・強度ともに満足な結果が得られました.
また,本アンテナの性能を,市販・自作の他アンテナと比較した結果を第1表に示します.給電点が高いという利点から,本アンテナは利得は低いのですが,5/8λ3段ホイップとほぼ同等の性能が得られています.加えて小型なため,走行中のQSB低減にも役立っているようです.
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